恵美須屋の想い

商売人であれ

 創業者である高橋亘が生前によく口にしていたことです。
商売人として何が正しいことかをよく考え行動するように。私たちは商売人であることを誇りに思わなければいけない。目先の利益のみに追われ、将来の成果を考えない商品を世に出すことは間違っている。そのようなことを社員教育として熱心に伝えてきたと言われております。

鞄は生地と材料を集め、職人が組み立てることで完成します。(株)恵美須屋が利益のみを考え、安い素材をかき集めて、ポケットなどの機能性をほとんど付けず、補強すべき個所も縫製する手間すら惜しみ、安く作り上げたものを販売すれば目先の利益は確保できるかもしれません。しかし、これは三流の商売人のすることであると考えています。胸を張って「商売人です。」と言える人間になるためには、良いものをお届けすることがあるべき形であると考えております。「こんな所、補強しなくても大丈夫じゃないか?」「もっと安い素材を使って安くして欲しい。」「海外に送れば安い工賃でできないか?」…。お取引いただいている方にはいい会社ではないかもしれません。私たちは自分たちに納得のできない仕事はしない場合があります。商売人としての義に反することはしないといった方針のために損をするようなこともありますが、私たちの作った鞄を使っていただけるお客様のために譲れないものは譲れないのです。

 気難しいことばかり述べておりますが、お客様のためになることや鞄の産地「豊岡」の産業を守ることなどでできることは精一杯、力を抜かずにさせていただきます。平成27年にはアフターフォローの精度を高めるように、商品の提案などが早期にできるようにするためにミシンを7台と鋲打ち機1台、ホック打ち機1台を導入し、生産体制の強化に取り組んでおります。これらの行動も全ては「本物の商売人はどう行動するのか」といった想いが行動基準となっております。

 これからも自信を持って送り出す本物の鞄をお届けできれば幸いです。